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QuarkXPress3.3の思い出話

投稿日:2018年11月8日 更新日:

たぶん40代以上の人にしか分からないかもですが、かつてデザインや印刷の現場では「QuarkXPress(クォーク・エクスプレス)」というレイアウトソフトが使われていました。

QuarkXPress3.3を15万円で購入。20年前のお値段です

20年くらい前、会社勤めを辞めて独立する前に購入したQuarkXPressバージョン3.3。たしか15万円くらいしたように記憶してます。

当時、独立するためにいろんなものを買い揃えてたのですが、一番高かったのがPSプリンターで20万円ちょい。QuarkXPressは二番目に高い買い物でした(ソフトに10万円以上のお金を払うという感覚は強烈でしたね~)。

あら、懐かしや。QuarkXPress3.3の起動画面。

かつてQuarkXPress3.3は印刷業界標準のソフトでした

今でこそデザインをするのにはMacでもWindowsでも好きな方を使えばいいのですが、QuarkXPressが使えたのはMacのみ。必然的にデザインやDTP(パソコンで印刷物のデータを作成すること)といえばMacという状況でした(当時の正確な呼称は「マック」でなく「マッキントッシュ」ね)。

なんでも開発販売元のクォーク社は、印刷会社や製版出力会社に的を絞って徹底的に商品を売り込んだそうな。

印刷物を作る工程の下流を抑えてしまえば、上流工程にいる制作会社やデザイン会社、出版社などはQuarkXPressをイヤでも使わざるを得なくなる、という戦略だったそう(恐ろしや〜)。

これが見事に大当たりして圧倒的なシェアを占有(ほとんど独占状態だったとも)。我々の業界にもQuarkXPressがど~んと鎮座していたわけでございますよ。

ボックスありきのレイアウトとか組版の面倒さとか

こいつでレイアウトを作るには、テキストでも写真でも何でもまず「ボックス」というオブジェクトを先に紙面に割り付けてやる必要があり、今と比べるとずいぶん手間がかかりました。

原稿が出来上がっていない状態で先行して紙面レイアウトを作っていくことを「先割り」というのですが、スケジュールがタイトな雑誌制作の現場なんかの事情に合わせた仕様だったのかもしれないですね。

文字組みに関しても今では考えられないようなヘタレ仕様で、手作業でずいぶん日本語と格闘したもんです。サードパーティー製のプラグインが全盛だった頃なんじゃないかと思います。

またまた懐かしや〜。QuarkXPress3.3の操作画面。OSはMacOS8以降ですね。リンゴがカラーだ(笑)。

ハードも不自由。ドングルを付けないと起動しない

ハード面でも面倒でしたね。ドングルと呼ばれる器具をキーボードとマウスの間に接続しないとソフトが起動しない仕様になってました(机の上がごちゃごちゃするんですよ、これ)。

大きな声では言えませんがドングルがなくても起動するQuarkXPressも出回ってましたね。訪ねた制作会社や出版社なんかでドングルのないQuarkXPressをいくつも目撃したこともありました(もう20年近い昔の話なので…)

ドングルはADBポート仕様だったので、マウスの接続がUSB化するとこんな変換アダプターをつないだりして、机の上がどんどんごちゃごちゃになっていくのがとってもイヤでした〜。あ、ドングルの写真は残ってないです。

サクサク軽いのだけは良かった。アドビも見習ってよ

もちろん良かったこともあります。動きがサクサク軽いこと。もう、これ大事!

同時に業務で使用するAdobe IllustratorやPhotoshop、あとPagemakerなんかはとにかくモッサリ重くて遅い。コイツら「重量級アプリケーション」なんて皮肉交じりに呼ばれてましたね(笑)。

今のアドビ社のソフトたちもここだけはなんとか見習えないものなんでしょうかね~。

「クォーク使いは一生食うに困らない」なんて言ったのはどこの誰だ!

実際にQuarkXPressを業務レベルで使いこなすためには相当な修練が必要でしたし、使える人の数も限られていたようです(業務以外で誰がこんなソフト使うんだ、というツッコミは無しですよ)。

そんな当時の土壌もあってか、独立前に出会った業界の人たちからは「クォーク使えたら一生食うには困らないよ」なんてことを言われて「よっしゃ、いけるぜ!」なんて舞い上がったこともありましたが、まあ人の予想なんてまったく当てにならないですね

現在のQuarkXPressのシェアは?というと、もうそんなこと分かりません(やけくそバンザ〜イ)。弊社の周辺ではQuarkXPressの存在は皆無です。印刷会社でさえ持ってないです。まあ、そういうことですね。

ちなみに現在のバージョンですが「QuarkXPress2018(85,000円)」というのが最新版のようです(2018年11月時点)。

あらためて見るとよくわからんネーミング

最後にQuarkXPressという名前についてですが、

Quark(クォーク)は素粒子。

XPressのスペルはPress(印刷)という単語を踏まえているそうですよ。

あらためて見ると、なんか意味わからんネーミングですわ(笑)。

 

というわけで、本日も最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。

相変わらずな~んの役にも立たない記事でございますが、今朝のうろこ雲が綺麗だったのに免じてお許しくだされ(笑)。

本日も松戸のデザイン事務所は元気に営業しております。デザインや印刷物の作成でお困りの方がいらっしゃいましたら、ご相談ください。お待ちしておりま~す!

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松戸の地域密着デザイン会社「小さな会社やお店の広告の作り方相談所」
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